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パロチンは本当に若返りホルモン?女性の美と健康を支える“唾液の力”を歯科医師が解説
最近、「肌の乾燥」「髪のツヤやハリの低下」「口のネバつきや口臭」が気になっていませんか?
年齢を重ねるにつれて、このような変化を感じる女性は少なくありません。
実は、こうした変化をきっかけに「パロチン」や「若返りホルモン」という言葉を調べる方もいらっしゃいます。
パロチンは、唾液腺に関連する物質として古くから研究されてきました。骨や歯などへの作用が研究され、「若返りホルモン」と紹介されることもあります。
一方で、「パロチンを増やせば若返る」「パロチンを摂れば肌や髪が若返る」といった情報も見かけますが、現在の医学的な知見から、そのように単純に考えることはできません。
この記事では、歯科医師の視点から、パロチンとは何なのか、唾液と女性の健康にはどのような関係があるのか、そして今日からできる「唾液を大切にする習慣」について、わかりやすく解説します。
目次
1.パロチンってどんなホルモン?
・耳下腺などから分泌される「唾液腺ホルモン」
・パロチンに期待されてきた働き
・パロチンのサプリや治療薬はある?
2.女性のからだとパロチン・唾液の関係
・年齢とともに唾液が減りやすくなる理由
・唾液が減ると、お口にはどんな変化が起こる?
・「若返りホルモン」という情報との正しい付き合い方
3.今日からできる!唾液の力をいかす生活習慣
・一口30回を目安によく噛む
・唾液腺マッサージを取り入れる
・口腔体操で舌や頬を動かす
4.まとめ
1.パロチンってどんなホルモン?
耳下腺などから分泌される「唾液腺ホルモン」
パロチンは、耳の前あたりにある「耳下腺」をはじめとする唾液腺に関連する物質として、古くから研究されてきました。
パロチンは「唾液腺ホルモン」と呼ばれることがあり、骨や歯などの硬組織への作用を中心に研究が行われてきた歴史があります。
そのため、一般向けの美容・健康情報では「若返りホルモン」と紹介されることがあります。
ただし、ここで注意したいのは、「パロチンを増やせば若返る」という意味ではないことです。
パロチンについては、過去に動物実験などを含むさまざまな研究が行われていますが、現在の美容医療やアンチエイジングの分野で、パロチン単独の効果によって人が若返ることが確立しているわけではありません。
パロチンに期待されてきた働き
パロチンについては、これまで骨や歯などの硬組織、カルシウム・リン代謝などとの関係が研究されてきました。
特に古い研究では、歯や骨などの硬組織に対する作用が報告されています。
そのため、
・骨や歯などの硬組織に関係する作用
・カルシウムやリンなどの代謝との関係
・組織の成長や代謝に関する作用
などが研究されてきました。
ただし、これらの研究結果をそのまま「パロチンを増やせば肌のシミやシワが改善する」「髪が若返る」と結びつけることには注意が必要です。
「若返りホルモン」という言葉は非常に魅力的ですが、医学的には、パロチンだけで若返りを期待するのではなく、唾液そのものが持つさまざまな働きに注目することが大切です。
パロチンのサプリや治療薬はある?
インターネットでは、「パロチンを増やすサプリメント」や「パロチンに似た作用を持つ成分」などが紹介されることがあります。
しかし、「パロチンを摂れば確実に若返る」という効果が医学的に確立されているわけではありません。
また、食品やサプリメントに含まれる成分についても、パロチンそのものと同じ働きをするとは限りません。
健康食品やサプリメントを選ぶ際には、「若返り」「アンチエイジング」といった広告表現だけで判断せず、どのような研究結果があるのかを確認することが大切です。
2.女性のからだとパロチン・唾液の関係
年齢とともに唾液が減りやすくなる理由
パロチンについて考えるうえで、まず注目したいのが「唾液」です。
唾液の分泌量は、加齢、ストレス、薬の副作用、生活習慣など、さまざまな要因によって変化します。
特に女性の場合、更年期以降は女性ホルモンの変化なども重なり、口の乾燥を感じる方がいます。
また、現代では、
・柔らかいものを食べる機会が増えた
・食事時間が短くなった
・ストレスや緊張が多い
・口呼吸をしている
・薬の副作用がある
といったことも、口の乾燥や唾液分泌に影響することがあります。
「昔より口が乾く」「口の中がネバつく」と感じる場合は、単純に年齢のせいと考えず、一度お口の状態を確認してみることをおすすめします。
唾液が減ると、お口にはどんな変化が起こる?
唾液には、単に口の中を濡らすだけではなく、さまざまな重要な働きがあります。
唾液には口の中を洗い流す自浄作用や抗菌作用があり、唾液が減少すると、むし歯や歯周病、口臭などのリスクが高くなることがあります。
また、唾液には、食べ物を飲み込みやすくしたり、口の中の粘膜を保護したり、酸によって溶けかけた歯の表面の再石灰化を助けたりする働きもあります。
①お口のトラブル
唾液が少なくなると、
・口のネバつき
・口臭
・むし歯
・歯周病
・口の中のヒリヒリ感
などが気になりやすくなります。
②歯や骨への影響
唾液が減少すると、むし歯や歯周病のリスクが高くなるため、結果として歯を支える環境にも影響する可能性があります。
特に年齢を重ねると、歯ぐきの状態や歯の根元のむし歯など、若い頃とは異なるお口のトラブルが増えてきます。
③肌や髪について
「パロチン=肌や髪を若返らせる」という情報を見かけることがあります。
しかし、肌の乾燥やハリ、髪のツヤなどは、女性ホルモン、栄養状態、睡眠、紫外線、加齢など、多くの要因が関係しています。
そのため、肌や髪の変化を「パロチンが減ったから」と単純に考えることはできません。
むしろ、「口の乾燥や唾液の減少も、年齢とともに変化する身体のサインのひとつ」と考えるとよいでしょう。
「若返りホルモン」という情報との正しい付き合い方
インターネットやSNSでは、
「パロチンを増やせば若返る」
「これを食べればパロチンが増える」
「パロチンで肌が若返る」
といった情報を見かけることがあります。
しかし、現時点で「パロチンを増やせば人が若返る」とまで言える十分な医学的根拠があるわけではありません。
大切なのは、パロチンだけに注目するのではなく、唾液そのものが持っている役割を大切にすることです。
唾液は、お口の中を潤し、食べ物を飲み込みやすくしたり、口腔内を清潔に保ったり、歯を守ったりするために重要な存在です。
「魔法の若返りホルモン」を探すのではなく、「毎日の生活で唾液をしっかり出す」という考え方のほうが、現実的で続けやすいでしょう。
3.今日からできる!唾液の力をいかす生活習慣
一口30回を目安によく噛む
唾液をしっかり出すために、今日からできる簡単な習慣が「よく噛んで食べること」です。
食べ物を噛むことで唾液腺が刺激され、唾液が分泌されやすくなります。
一口30回をひとつの目安として、急いで飲み込まず、食べ物の食感を楽しみながらゆっくり食べてみましょう。
また、左右どちらかだけに偏らず、左右の奥歯をバランスよく使うことも意識してみてください。
ただし、「必ず30回噛まなければいけない」という意味ではありません。
大切なのは、食べ物を十分に噛み、唾液をしっかり分泌させる習慣をつくることです。
唾液腺マッサージを取り入れる
「噛む」こと以外にも、唾液腺を刺激する方法があります。
代表的なのが、耳下腺、顎下腺、舌下腺へのマッサージです。
①耳下腺マッサージ
耳下腺は、耳の前から頬にかけて位置しています。
1.人さし指から中指の腹を、耳たぶの前あたりに当てます。
2.痛くない程度の力で、円を描くようにやさしくマッサージします。
3.5〜10回程度を目安に行います。
強く押しすぎる必要はありません。
②顎下腺・舌下腺への刺激
顎の下にも唾液腺があります。
あごの骨の内側にある柔らかい部分を、耳の下からあご先に向かってやさしく刺激してみましょう。
また、舌を動かしたり、口を大きく開けたりする口腔体操も、唾液の分泌を促す方法のひとつです。
③口腔体操で舌や頬を動かす
唾液腺マッサージとあわせて、
「あ・い・う・え・お」
と口を大きく動かしたり、舌を左右に動かしたり、頬を膨らませたりする口腔体操もおすすめです。
朝起きたとき、食事前、歯みがきの前後など、毎日のルーティンに取り入れてみると続けやすいでしょう。
なお、口の乾燥が長期間続いている場合は、単なる「唾液不足」と決めつけないことも重要です。
薬の副作用や更年期、全身疾患などが原因となっている場合もあるため、気になる症状が続く場合は歯科医院に相談しましょう。
ドライマウスでは、問診や口腔内の診察、必要に応じて唾液量の検査などを行い、原因を確認することがあります。
4.まとめ
パロチンは、唾液腺に関連する物質として古くから研究されており、骨や歯などへの作用が研究されてきたことから、「若返りホルモン」と紹介されることがあります。
ただし、「パロチンを増やせば若返る」「パロチンを摂れば肌や髪が若返る」といった効果が医学的に確立されているわけではありません。
一方で、唾液には、口の中を洗い流す自浄作用や抗菌作用、歯の再石灰化を助ける働きなどがあり、私たちのお口の健康を守るうえで非常に重要な役割を担っています。
そのため、「若返りホルモン」としてのパロチンだけを追いかけるのではなく、
・一口30回を目安によく噛む
・唾液腺マッサージを取り入れる
・舌や頬をしっかり動かす
・噛みごたえのある食材を取り入れる
といった、唾液が出やすい生活習慣を意識することが大切です。
「最近、口が乾く」
「口のネバつきが気になる」
「以前より口臭が気になる」
といった変化は、年齢のせいだと思ってそのままにしてしまいがちです。
しかし、唾液の減少には、加齢だけでなく薬の副作用や更年期、ストレス、全身の病気など、さまざまな原因が隠れていることがあります。
気になる症状が続く場合は、一度歯科医院で相談してみましょう。
毎日の「よく噛む」という小さな習慣から、唾液とお口の健康を大切にしていきましょう。
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