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現代社会の健康問題として注目されているのが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。
この記事では、特に30代から50代の男性に多いSASについて、歯科からのアプローチに焦点を当てて解説します。
目次
・睡眠障害の全体像
・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基本
・症状と体への影響
・SASの検査方法
・SASの治療オプション
・歯科医療の役割
・まとめ
1.睡眠障害の全体像
睡眠障害は現代人の多くが抱える問題のひとつです。不眠症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、むずむず脚症候群など、さまざまな種類が存在します。これらの睡眠障害は、日中の眠気や集中力の低下だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが知られています。主な6つのタイプを以下にまとめました。
① 不眠症
入眠困難や夜間の中途覚醒など、睡眠の質が低下する症状を指します。
② 睡眠関連呼吸障害
睡眠中に呼吸が一時的に中断されることで、睡眠の質を低下させる障害です。
③ 過眠症
日中に強い眠気が現れ、不意に眠ってしまうことがある状態です。
④ 概日リズム睡眠障害
体内時計と外部環境のリズムがずれることで、正常な睡眠パターンが保てなくなる障害です。
⑤ 睡眠関連運動障害
睡眠中に周期的に足が動くなど、不随意運動が見られる状態です。
⑥ 睡眠時随伴症
夢遊病や夜驚など、睡眠中に異常行動が起こる状態です。
■睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
SASは睡眠中に気道が繰り返し閉塞し、呼吸が一時的に止まる病気です。その結果、睡眠の質が著しく低下し、日中の強い眠気や集中力の低下などが起こります。
■SASの症状と体への影響
SASは心血管疾患のリスクを高め、日中の眠気や集中力低下、仕事効率の悪化などを引き起こします。長期間その状態が続くと、生活の質の低下につながるため注意が必要です。
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基本
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が数秒〜数十秒間止まる、または浅くなる状態が繰り返される病気です。特に30代〜50代の男性に多く、肥満、生活習慣の乱れ、骨格の特徴などが要因となります。SASは睡眠の質を大きく低下させ、日中の眠気や集中力の低下を引き起こします。
■SASの原因
・肥満:首周りの脂肪が気道を圧迫することがある
・生活習慣:飲酒、喫煙、不規則な生活
・骨格:下顎の形や扁桃肥大
・加齢:筋力低下により気道が狭くなる
3.症状と体への影響
SASの主な症状には、いびき、日中の強い眠気、起床時の頭痛、集中力の低下などがあります。これらは日常生活に支障をきたすだけでなく、高血圧、心疾患、脳梗塞などの重大な病気のリスクを高めることが知られています。さらに、睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、全身の健康に悪影響を及ぼします。
■SASが引き起こす可能性のある疾患
・高血圧
・心疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)
・糖尿病
・その他の生活習慣病
・日中の強い眠気による交通事故
4.SASの検査方法
SASの検査は主に「ポリソムノグラフィー(PSG)」で行われます。これは睡眠中の脳波、呼吸、心電図などを測定し、SASの重症度を評価する検査です。また、自宅で簡単に行える携帯型の簡易検査もあります。歯科医院では、口腔内の状態や顎の位置を確認することで、マウスピース療法の適応を判断するための評価や簡易的な検査を行うことも可能です。
■検査の種類
・ポリソムノグラフィー(PSG):睡眠中の詳細なデータを測定
・簡易検査:自宅で測定可能な機器を使用
・歯科医院での評価:マウスピース療法の適応を評価するための口腔内検査
5.SASの治療オプション
SASの治療法は重症度や原因により異なります。主な治療法は以下の通りです。
・CPAP(持続陽圧呼吸療法):睡眠中に鼻から空気を送り込み、気道を確保する方法です。重症例で有効性が高いとされています。
・マウスピース療法(下顎前方移動装置):下顎を前方に保持することで気道を広げ、呼吸障害を軽減します。軽度〜中等度のSASやCPAPが合わない場合の代替療法として用いられます。
・外科的手術:扁桃や軟口蓋の手術などで気道を物理的に広げる方法で、原因に応じて選択されます。
・生活習慣改善:減量、飲酒制限、禁煙、規則正しい睡眠習慣などはSASの改善に寄与します。
6.歯科医療の役割
歯科医療はSASの診断・治療において重要な役割を担います。特にマウスピース療法は歯科医師が口腔内の状態に合わせて作成・調整するため、適切な適合と効果が期待できます。また、歯科医師は次のような支援を行います。
■歯科医院でできること
・マウスピース療法の提供と調整
・SASスクリーニング(いびきや口腔内の特徴を確認)
・生活習慣改善の指導(減量や睡眠衛生指導)
・必要に応じて医科(耳鼻咽喉科、睡眠専門医)と連携し、適切な治療方針を決定
7.まとめ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると重篤な合併症を招く可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。歯科医院ではスクリーニングからマウスピース療法まで幅広いサポートを提供できますが、重症度に応じてCPAPや外科治療、他科との連携が必要です。いびきや日中の強い眠気など気になる症状がある場合は、まずは相談・検査を受けることをおすすめします。
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参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠時無呼吸症候群」
・日本睡眠学会
・日本歯科医師会雑誌
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