乳歯から永久歯への生えかわりは、乳歯がグラグラと動き出す前から骨の中で徐々に始まっています。

生えかわりが進みグラグラと揺れ始めると、気になってずっとお口の中を触っていたり、食べ物を噛みにくくなったと訴える子どもたちもいます。

・全くグラグラしていないのに永久歯が生えてきてしまった

・本来乳歯が抜けるべき時期に抜ける気配がない

といった時以外は、基本的には無理に抜歯をする必要はなく、自然に抜ける（脱落）のを待っていても問題ありません。

ですが、積極的に抜歯をした方がいいケースもあります。

揺れはじめた乳歯であっても、抜歯に適したタイミングというものがあります。

そこで今回は、乳歯の抜歯のタイミングや注意点などについてご紹介します。

 

目次

・乳歯の抜歯に適した時期

　ー　前歯部（前歯）

　ー　臼歯部（奥歯）

・抜歯のタイミングがずれてしまったときに起こる影響

　ー　早すぎると

　ー　遅すぎると

・乳歯の抜歯の必要性を歯科医院で診てもらった方がいい例

　ー　グラグラしているがなかなか抜けない

　ー　永久歯が変なところから生えてきた

　ー　反対側だけ抜けた

　ー　抜けたはずなのに、何か見える

・安全なのは歯科医院での抜歯

・まとめ

 

乳歯の抜歯に適した時期

乳歯には、この時期になれば抜歯を検討した方がいいという、抜歯の適齢期があります。

前歯部

乳中切歯（A 中央の前歯）：6～8歳

乳側切歯（B Aの両隣の前歯）：7～9歳

乳犬歯（C 尖っているきばの様な前歯）：10～12歳

臼歯部

第一乳臼歯（D 細長い奥歯）：10～12歳

第二乳臼歯（E 乳歯の中で一番奥の歯）：10～12歳

 

 

抜歯のタイミングがずれてしまったときに起こる影響

抜歯のタイミングが適切な時期より早い、もしくは遅くなってしまうとどうなるのでしょうか。

早すぎると

もし、適切なタイミングよりも早く乳歯を抜いてしまった場合、抜いた乳歯の両隣の歯あるいは上(下)の歯が寄ってきてしまうことがあります。

すると、次に生えてくるべき永久歯が生えてくるスペースが足りなくなってしまう可能性があり、永久歯の歯並びが悪くなる原因になります。

遅すぎると

乳歯の抜歯のタイミングが遅くなりすぎるとどうなるのでしょうか。

乳歯の抜歯のタイミングが遅くなっても、次の永久歯は生えてこようとします。

ところが、乳歯が残っているので、永久歯が生えてくるのを邪魔されてしまい、永久歯が本来の位置から外れたところに生えてくる可能性があります。

 

 

乳歯の抜歯の必要性を歯科医院で診てもらった方がいい例

乳歯の抜歯が必要かどうかを歯科医院で診てもらった方がいい場合について説明します。

 

⒈グラグラしているがなかなか抜けない

乳歯がグラグラと動いているのに、いつまで経っても乳歯が抜けないというときです。

もしかしたら、乳歯の歯根の一部が溶けずに残っているのかもしれないです。

動いているのにいつまで経っても抜けない場合は、一度レントゲン写真を撮影し、乳歯の歯根の状態や永久歯の状態を確認した方がいいでしょう。

 

⒉永久歯が変なところから生えてきた

例えば、乳歯の横や後ろから永久歯が生えてくるというケースです。

乳歯が抜けないまま永久歯が変なところから生え続けようとすると、永久歯がその場所に止まってしまい、永久歯の位置がずっとおかしいままになってしまいます。

変な位置から永久歯が出てきたら、早い段階で乳歯を抜歯し、永久歯が正しい位置に生えてこられるようにしてあげる必要があります。

 

⒊反対側だけ抜けた

乳歯から永久歯への生え変わりは、一般的に左右対称的に進みます。

ところが、一方の乳歯は順調に抜けて永久歯に代わったのに、もう一方はそうではない、いつまでも乳歯が残っているとなると、何らかの問題が起こっているのかもしれません。

永久歯の数が足りないということも考えられます。

反対側だけ抜けたというときも、歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。

 

⒋抜けたはずなのに、何か見える

乳歯が抜けたはずなのに、そこに何か見える、尖ったものがあるという場合、歯根の一部が折れて残っている可能性が考えられます。

歯根の一部が残ったままになっていると永久歯が生えてくるのが邪魔されてしまうことがあり、たとえ残った歯根がごくわずかでも、永久歯の位置がズレてしまう原因になります。

レントゲン写真を撮影すれば、取り除いてあげたほうが良いかはっきりしますので、一度歯科医院で診てもらうようにしてください。

 

安全なのは歯科医院での抜歯

グラグラしている乳歯であっても、安全なのは歯科医院での抜歯です。

永久歯と比べて乳歯は脆く、特にグラグラしている乳歯の歯根は細くなったり短くなっているため、抜歯のときの力加減がポイントです。

強く掴めばいいというものではないですし、無理に引っ張ればいいというわけでもありません。

また、乳歯のすぐ近くにある永久歯に無理な力がかからないように細心の注意を払わなければなりません。

歯科医院では、歯を上手につかめるように、歯にフィットする形に作られている抜歯鉗子という専用の道具を使います。

 

当院では状況に合わせて表面麻酔や局所麻酔も使用し、子どもたちの様子を見ながら抜歯を進めております。

ですので、「抜いた方が良いのかな？」「なかなか生え替わらないけど大丈夫かな？」といった不安をお持ちでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。

 

まとめ

今回は、乳歯の抜歯のタイミングについて解説しました。

乳歯から永久歯への生えかわりは、自然な現象なので、歯科医師が抜歯しなくても乳歯は抜けるものです。

しかし、抜歯のタイミングが早すぎても遅すぎても永久歯の歯並びに影響が出ます。

もし、

⒈グラグラしているがなかなか抜けない

⒉永久歯が変なところから生えてきた

⒊反対側だけ抜けた

⒋抜けたはずなのに、何か見える

このようなことがあれば、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

当院は、お子さんの生えかわりや抜歯を含めた歯科治療の専門知識や経験の豊富な歯科医院です。

 

お子さんの歯の生えかわりについて、相談したいことがある方は、

まずは当院で御相談いただき、十分に納得してから治療を受けていただくことをオススメします。

御心配な点・御不安な点などありましたら、気兼ねなくおたずねください。

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