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こんにちは
歯の奇形にはいろいろありますが、そのひとつに、歯の数が正常よりも多い、もしくは少ないという数の異常があります。
歯の数が足りない場合を、先天欠如歯といいます。
もし、お子さんの歯が足りない場合、どうすればいいのでしょうか。
今回は、先天欠如歯と、その場合の対処法についてお話しします。
目次
先天欠如歯について
・先天欠如歯とは
・頻度
・先天欠如歯の調べ方
先天欠如歯の問題点
・歯列不正の原因になる
・見た目への悪影響
先天欠如歯の治療法
・保隙
・乳歯を永久歯の代わりにする
・矯正治療
・ブリッジやインプラント
先天欠如歯の矯正治療と保険診療
・先天欠如歯が6本以上の場合
・前歯と小臼歯のうち3本以上が生えてこない場合
・顎変形症を伴う場合
・厚生労働大臣が決めた病気に当てはまる場合
まとめ
先天欠如歯について
まず、先天欠如歯についてお話しします。
歯の数は、上下左右で乳歯は合計20本、永久歯は親知らずを含めて32本、含めなければ28本が正常な本数です。
この数を基準として少ない場合を先天欠如歯と言います。
頻度
乳歯の先天欠如歯は、たいへん稀です。
乳歯に先天欠如歯は生じないと言っても間違いではないほどです。
一方、永久歯では、先天欠如歯の頻度は、およそ10%です。
10人に1人の割合ですから、決してまれな病気でなく、多くの方に何らかの歯が足りていないことになります。
どの場所に生じるかについては、上顎が5%弱、下顎が8%弱と下顎の方が少し多い傾向が見られます。
先天欠如歯の調べ方
先天欠如歯かと思っていても、実は歯が埋まったまま生えてこないだけということもあります。
先天欠如歯かどうかを調べるには、レントゲン写真を撮影して、写っていなければ、先天欠如歯と診断します。
先天欠如歯の問題点
もし、歯の数が足りないと何が問題となるのでしょうか。
歯列不正の原因になる
まず挙げられるのが、歯列不正の原因になることです。
先天欠如歯が発生したところや、その数によって、歯列不正の状況は大きく変わります。
また、先天欠如歯のところに生えている乳歯が残っているか、そうでなく抜けてしまっているかによっても、歯列不正の進行の経過に大きな違いが生じます。
先天欠如歯が生じた歯列不正の治療は一定ではなく、先天欠如歯の症状により複雑化することが、治療を難しくしています。
見た目への悪影響
本来あるべき歯がないので、特に先天欠如歯が前歯部に生じた場合、歯並びの見た目も悪くなってしまいます。
先天欠如歯の場所や本数によっては、顔つきにも影響が出ることもあります。
先天欠如歯の治療法
先天欠如歯は、歯そのものがありません。
先天欠如歯を認めた場合はどのような治療法があるのでしょうか。
保隙
例えば上顎の前歯が欠如していた場合、そこに生えている乳歯は比較的早く抜けてしまうことが多いです。
乳歯が抜けても永久歯は生えてきませんから、そのままでいると隣の歯が寄ってきて、歯並びがおかしくなってしまいます。
そこで、失われたスペースが閉じないようにする方法が、保隙です。
保隙しておけば、将来ブリッジやインプラントができる余地を残しながら、歯並びが悪くなるのを防げます。
乳歯を永久歯の代わりにする
小臼歯部の先天欠如歯の例では、そこに生えている第二乳臼歯という乳歯は、比較的長く残せることが多いです。
しかも、次に生えてくるはずだった第二小臼歯は、第二乳臼歯よりも幅が狭いので、第二乳臼歯を残しておくことができれば、歯並びが悪くなるのを防げます。
予防歯科を通して、乳歯を永久歯の代わりとして大人になるまで残すという方法もあります。
矯正治療
先天欠如歯のスペースに他の歯を移動させて埋めてしまう治療法です。
子供の時期からの小児矯正という選択肢もありますし、大人になってからでは、歯を動かしてスペースを作り、インプラントを入れるという方法もあります。
ブリッジやインプラント
ブリッジという被せ物やインプラントで先天欠如歯の代わりにするという方法です。
この方法は、成長期にあるお子さんの先天欠如歯の治療には使えません。
スペースが残っている大人の方向けの治療法となります。
先天欠如歯の矯正治療と保険診療
矯正治療は、原則的に自費診療なので、保険診療で矯正治療を受けることはできません。
ただし、一部の先天欠如歯の矯正治療は、令和2年(2020年)から保険診療で受けることができるようになりました。
・先天欠如歯が6本以上の場合
生まれつき、永久歯が6本以上欠如している場合は保険診療で矯正治療を受けることができます。
ただし、この本数には第3大臼歯、いわゆる親知らずは含まれませんのでご注意ください。
・前歯と小臼歯のうち3本以上が生えてこない場合
前歯部と小臼歯部の永久歯のうち、3本以上の歯が、あるにはあるのだけれど、埋まったままで生えてこない場合です。
このような症状に当てはまる場合も、保険診療で矯正治療が受けられます。
・顎変形症を伴う場合
顎変形症とは、顎の骨格の大きさや形に異常がある病気です。
それにより、歯並びが悪く、噛み合わせに異常が認められる場合は、保険診療で矯正治療が受けられます。
先天欠如歯があり、顎変形症を伴う場合の矯正治療も、保険診療が適用されます。
・厚生労働大臣が決めた病気に当てはまる場合
厚生労働大臣が定めた60ほどの生まれつきの病気に伴う噛み合わせの異常の矯正治療も、保険診療の適用を受けています。
60ほどにもなるので全てを書くことは難しいですが、比較的よく知られたものとしては、ダウン症候群、筋ジストロフィー、唇顎口蓋裂などが挙げられます。
これらを伴う先天欠如歯であれば、保険診療で矯正治療が受けられます。
まとめ
今回は、先天欠如歯についてお話ししました。
先天欠如歯は、10人に1人ほどに見られますので、決して珍しい症状ではありません。
先天欠如歯は、歯そのものがない状態なので、治療の選択肢としては、
①保隙
②乳歯を永久歯の代わりとする
③矯正治療
④ブリッジやインプラント
などです。
このうち、ブリッジやインプラントは大人に対しての治療法なので、子供さんに対してなら、それ以外の選択肢になります。
当院は、先天欠如歯だけでなく、お子さんの矯正治療の専門知識や治療経験の豊富な歯科医院です。
もし、お子さんの乳歯がいつまでも残っている、もしくは抜けたけど永久歯が生えてこないなど、先天欠如歯かもしれないとお悩みの方は、
まずは当院で御相談いただき、十分に納得してから治療を受けていただくことをオススメします。御心配な点・御不安な点などありましたら、気兼ねなくおたずねください。
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