「歯がしみるんだけれど、むし歯の治療って何回くらい通えば終わるんだろう？」「1回で終わらせることはできないのかな？」と思う方は多いのではないでしょうか。むし歯の治療回数は進行度によって異なります。進行が軽いほど治療回数は少なくなりますが、放置すると治療が長引くこともあります。この記事では、それぞれの段階ごとの治療内容と通院回数の目安をわかりやすく解説します。

目次

①詰め物だけで治療が可能な軽度のむし歯

②歯の神経まで達した中等度のむし歯

③歯の根のみが残った重度のむし歯

④まとめ

①詰め物だけで治療が可能な軽度のむし歯

【軽度のむし歯の通院回数は1～2回】

歯が黒くなっているものの穴がほとんど開いていない、しみる症状が少ないなど、むし歯が初期の段階であれば、1回または2回の通院で治療が完了することが多いです。軽度の場合は削る範囲が小さく、神経に達していなければ削った部分に詰め物をするだけで治療が終わります。白いプラスチックの詰め物（コンポジットレジン）を使用する場合はその日のうちに詰めることができるため、1回で治療が終わることもあります。一方で、むし歯の範囲が大きく強度の高い「インレー」という詰め物が必要な場合は、型取りと装着のために最低2回通院する必要があります。

【軽度のうちに治療を行うことが重要】

軽度のむし歯は痛みが出にくいため放置しがちですが、早めに治療すれば短期間で完了します。放置すると進行し、治療回数が増えてしまうため注意が必要です。

②歯の神経まで達した中等度のむし歯

【根管治療が必要な場合は通院回数が多くなる】

「何もしていなくてもズキズキ痛い」「熱いものがしみる」「以前そのような症状があった」場合、むし歯が歯の神経（歯髄）まで達している可能性が高いです。この段階では削って詰めるだけでは済まず、「根管治療（こんかんちりょう）」が必要になります。根管治療は神経を取り除き、歯の内部を消毒し、薬剤で密封する治療です。複数の工程と経過観察が必要となるため、一般的には最低3〜5回通院することが多いです。

【根管治療の流れ】

根管治療では、まずむし歯を削り取り、感染した神経を除去します。続いて歯の内部を清掃・消毒し、細菌を完全に取り除いた段階で薬を詰めて密封します。その後、むし歯の進行度によっては被せ物の土台を作る必要があり、最終的に被せ物を装着して治療が完了します。

【根管治療は最後まで継続することが大切】

根管治療は歯を残すために非常に重要な処置です。途中で通院をやめると、歯の中に細菌が残り、再感染や再び痛みが出る原因になります。最悪の場合、歯を失うこともあるため、歯科医師の指示に従って最後まで治療を受けることが大切です。

③歯の根のみが残った重度のむし歯

【重度のむし歯では歯を残せないことも】

むし歯が進行し、歯の根だけが残る状態になると、歯を残すことが難しくなる場合があります。この段階では抜歯が必要となることが多く、治療後はブリッジ・入れ歯・インプラントなどの方法で歯を補います。

【歯が残せない場合の治療回数】

抜歯自体は1回で終わることが多いですが、その後の補綴治療（ブリッジ・入れ歯・インプラント）のために複数回の通院が必要になります。ブリッジや入れ歯の場合は型取りや調整のために3〜5回ほど通院が必要です。インプラントを選ぶ場合は手術が必要で、全ての治療が終了するのに半年以上かかることが多いです。進行が進むほど治療期間が長くなるため、早めの受診が重要です。