診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~13:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
14:00~18:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
休診日:日曜・祝日
歯を守ることはとても重要です。お口の中の健康は全身の健康に直結することが、近年の研究で明らかになってきています。その中でも、歯を多く残すことは認知症予防や健康寿命の延伸に寄与しており、歯科医師は患者様の歯を一本でも多く残すことを使命としています。
歯を抜く原因は様々です。特に第一大臼歯(6歳臼歯)は、最も早く生えてくる永久歯の一つです。多くの方は6歳ごろに生えるため、それを一生使い続けなければなりません。そのため、奥歯の寿命は平均して60歳程度と、歯の中でも最も短いとされています。
そこで今回は、歯を守る工夫の一つである「トライセクション」について解説していきましょう。
目次
①歯を抜く原因は?
・虫歯
・歯周病
・歯根破折
②トライセクションって何?
・トライセクションとは?
・どんな時に用いられる?
③トライセクションの注意点
・残った歯根が悪くなる可能性
・事前に根っこの治療が必要
④まとめ
① 歯を抜く原因は?
●虫歯
歯を抜く最大の原因は虫歯です。虫歯が進行すると歯冠(歯の頭の部分)が大きく崩壊したり、根の先端に大きな病巣をつくることがあります。このような状態では、被せ物をしても長期的に機能させるのは困難で、抜歯が必要になることがあります。
●歯周病
次に多いのが歯周病です。歯周病は歯を支える骨が溶けてしまう病気で、進行すると歯を支える骨がなくなり、歯が安定せず自然に抜けることもあります。また、強い咬合力が加わることで急激に悪化する場合もあります。
●歯根破折
強い力がかかると歯が折れてしまうことがあります。例えば歯ぎしりは体重の約3倍、180kgもの力が加わるといわれています。歯が割れてしまった場合、現在の歯科医学では元に戻す方法はありません。
これら以外にも抜歯の原因はありますが、代表的なものが虫歯・歯周病・歯根破折です。トライセクションは、特に進行した歯周病や歯根破折のケースで用いられる場合があります。
② トライセクションって何?
「トライセクション」という言葉を耳にしたことがある方は少ないと思います。英語では「Trisection」と書き、「Tri」は「3つ」、「section」は「断片」を意味します。
■トライセクションとは?
トライセクションは「歯を3つの部分に分け、悪い部分だけを取り除く治療法」です。奥歯は2〜4本の根に分かれていますが、特に上顎第一大臼歯は3根に分かれていることが多いです。このうち、1本の根だけが悪い場合に、その部分のみを切除して残りを保存します。
この方法の最大のメリットは「歯を完全に抜かずに済む」ことです。残した歯に被せ物をして噛む機能を維持することが可能です。
■どんな時に用いられる?
トライセクションが適応できる条件は次の通りです。
1. 歯根が3つに分かれている(特に上顎大臼歯)
2. 根の分岐がしっかり広がっている
3. 3つの根のうち、1つだけが悪い
これらの条件がそろっている場合に、トライセクションが有効な治療法となります。
③ トライセクションの注意点
■残った歯根が悪くなる可能性
根を1本失うため、残りの2本で噛む力を支える必要があります。その結果、負担が大きくなり、残った根も悪化してしまう場合があります。最終的にすべて抜歯となるケースもあります。
■事前に根管治療が必要
トライセクションを行うには、事前に根管治療(根の中の治療)が必要です。神経を取り、無菌化し、詰め物をするなど時間と手間がかかります。準備が不十分だと治療後に感染が起こる可能性があります。
④まとめ
今回は、奥歯を可能な限り残すための治療「トライセクション」について紹介しました。抜歯と診断された歯でも、この治療法で残せる可能性があります。
歯を残すことは「自分の歯で食べる喜び」を守る大切な方法です。抜歯といわれた時は、セカンドオピニオンを活用し、最適な治療法を検討してみましょう。
ご相談はこちらから。
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。