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口蓋裂とは?哺乳・言語・見た目への影響と治療法をわかりやすく解説

目次

① 口蓋裂とは?

② 口蓋裂による問題

③ 口唇口蓋裂の治療

④ まとめ

 

① 口蓋裂とは?

口蓋裂を含む口唇口蓋裂は、日本では500人に1人程度の頻度で発生する先天異常です。これは、顎顔面領域で最も頻度の高い先天性疾患とされています。口唇口蓋裂には2つの疾患が含まれます。それが「口唇裂」と「口蓋裂」です。ここでは、まず「口蓋裂」とはどのような病気なのかを解説します。

 

■どんな病気?

口蓋とは、お口の中の上顎の上側(天井部分)を指します。口蓋裂とは、生まれつきこの「口蓋」の部分が割れている病気です。人間の口蓋のすぐ上には鼻の粘膜があるため、口蓋裂のある患者さんは、生まれたときから鼻と口がつながっている状態です。これが、さまざまな問題の原因となります。

口蓋裂には、口唇裂を伴う場合もあれば、口蓋裂のみのケースもあります。多くの場合、口蓋裂では上顎の骨と粘膜の両方が大きく裂けており、乳幼児健診などのタイミングで発見されます。しかし中には、「粘膜下口蓋裂」や「軟口蓋裂」と呼ばれる、粘膜部分だけが裂けているケースもあり、発見が難しいこともあります。

 

■口蓋裂の原因

これまで多くの研究や報告がなされていますが、口蓋裂の原因は、口唇裂と同様に「多因子疾患」として位置づけられており、はっきりとした原因はわかっていません。

人間の口蓋は、胎児期に母親のお腹の中で左右の組織がくっつくことで形成されます。口蓋裂は、何らかの要因により左右の組織が正常に癒合せず、未発達のまま出生することで起こります。

まずは口蓋裂がどのような病気かを理解いただけたでしょうか。実は、皆さんの周りにも1人いてもおかしくないほど、身近な病気です。正しく理解することが大切です。 

 

 

② 口蓋裂による問題

口蓋裂のある患者さんは、さまざまな問題を抱えることがあります。中には、「そんなことも関係あるの?」と意外に思われることもあるかもしれません。代表的な問題点をご紹介します。

 

■哺乳障害

口唇裂のある患者さんと同様に、口蓋裂のある患者さんも哺乳障害を抱えることがあります。私たちが飲み物を飲むときは、唇を閉じるだけでなく、舌を口蓋に当てながら喉の方へ食べ物を運んでいます。口蓋裂があると、舌が口蓋にうまく接触できず、飲み込みがうまくできません。

 

■顎の発育

口蓋の骨が欠損していたり、手術の影響により上顎の骨の成長が阻害されることがあります。そのため、見た目の問題だけでなく、歯並びやかみ合わせにも大きな影響が生じます。

 

■言語発達

口蓋裂のある患者さんにとって、特に重要なのが言語発達の問題です。口蓋裂では、鼻と口がつながっていたり、発音に必要な筋肉が未発達だったりするため、正しい発音ができず、鼻に抜けたような声になります。

また、言語の発達には、正しい発音を耳で聞き取ることが重要です。自分で正しい音を発音できないと、正しい音を聞き分けることも難しくなり、誤った発音を覚えてしまいます。うまく話せないことで、人との関わりを避けてしまうケースもあります。

 

■中耳炎

飛行機に乗ったときなどに「耳抜き」をしたことがあるかと思います。この耳抜きには、軟口蓋を持ち上げる筋肉が重要な役割を果たします。しかし、口蓋裂の患者さんはこの筋肉の発達が不十分で、耳抜きがうまくできません。

そのため、子どもでは中耳炎になりやすくなります。さらに、慢性的な中耳炎は将来的に難聴の原因となることもあり、注意が必要です。

ここで挙げた問題点は一部にすぎません。心理的な問題なども含め、口蓋裂患者さんは多角的な課題を抱えています。

 

 

③ 口蓋裂の治療

では、上記のような問題に対して、どのような治療や支援が行われているのでしょうか?

 

■哺乳管理

まず、健やかな成長のためには哺乳指導が重要です。裂の大きさに応じて適切な哺乳瓶を選んだり、「ホッツ床(Hotz床)」と呼ばれる裂をふさぐ装置を用いて、ミルクを飲みやすくします。

■口蓋形成術

大学病院などの専門医療機関で、体重10kgを目安に、全身麻酔下で手術を行います。代表的な術式が2種類あり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、施設によって方法が異なることがあります。詳しくは専門施設に相談してください。

手術では、口蓋の裂け目を閉鎖し、できる限り正常な形態に修復します。

■言語訓練

口蓋裂の患者さんには、言語の問題への対応が重要です。早期に言語聴覚士(ST)の指導を受け、必要な筋肉を鍛えたり、装置を用いることで言語訓練を行います。これにより、正しい発音の習得を目指します。

そのほかにも、18歳ごろまでに矯正治療や追加の手術、言語療法などが必要になります。また、中耳炎の治療は耳鼻科と連携して行う必要があり、口唇口蓋裂の患者さんの治療には、さまざまな分野の医療従事者が関わっています。

 

 

④まとめ

今回は、口蓋裂に焦点を当てて病気の概要や治療方法をご紹介しました。口蓋裂のある方は、言語に関する問題を抱えることが少なくありません。また、見た目には分かりにくいこともあります。

お子さんの言葉の発達に気になる点がある場合は、口蓋裂が原因のひとつかもしれません。気になる方は、歯科医院や言語聴覚士に相談してみてください。

ご相談はこちらから。

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