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乳歯は、通常、小学校の終わりから中学生くらいの年齢で永久歯に生え変わります。
ところが近年、大人になっても抜けない「大人乳歯」が増えてきています。
「大人乳歯」が残る原因とは何なのでしょうか?
そして、「大人乳歯」が抜けてしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか?
今回は、「大人乳歯」の原因や、抜けてしまったときの治療法についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただければ、「大人乳歯」の特徴や、トラブルが起きた際の適切な治療法について理解できるはずです。
目次
① 大人乳歯の頻度
② 大人乳歯の原因
③ 大人乳歯の見つけ方
④ 大人乳歯の問題点
⑤ 大人乳歯の対処法
⑥ まとめ
① 大人乳歯の頻度
大人乳歯の原因となる「先天性欠如」は、10人に1人ほどの頻度でみられます。
そのうち90%以上は、1本または2本の永久歯が先天的に欠如しているケースです。
■部分性無歯症の頻度
永久歯が6本以上欠如している状態を「部分性無歯症」といいます。
この部分性無歯症は、1000人に1人ほどの頻度で見られます。
多くは遺伝性疾患の一症状として現れますが、全身的な病気を伴わない「非症候性」の場合もあります。
② 大人乳歯の原因
●永久歯の欠如
大人乳歯が残る主な原因は、本来生えるべき永久歯が存在しないことです。
このように生まれつき永久歯が存在しない状態を「先天性欠如」と呼び、欠如している歯は「先天性欠如歯」といいます。
●先天性欠如の原因
先天性欠如が起こる詳しい原因は、まだ明確にはわかっていません。
●歯の退化
有力な説の一つに「人類の進化による歯の退化」があります。
火を使って調理するようになった人類は、硬いものをあまり噛まなくても食事ができるようになり、歯を使う必要性が減りました。
このため、歯が退化してきていると考えられています。
●遺伝的な病気
部分性無歯症など、多数の永久歯が欠如している場合は、遺伝的な病気の一症状として現れることもあります。
●その他の原因
そのほか、栄養障害やホルモン異常などが影響している可能性も指摘されています。
③ 大人乳歯の見つけ方
大人乳歯は、日常生活で不自由を感じることがほとんどないため、自分では気づかないこともあります。
●レントゲン写真の撮影
レントゲン撮影によって、歯の根(歯根)の状態が確認できます。
乳歯の歯根は永久歯と比べて形状や大きさが異なるため、レントゲンを撮れば判別しやすくなります。
④ 大人乳歯の問題点
大人乳歯には、以下のような問題点があります。
●歯根が短い
歯は、歯根が長く太いほどしっかりと固定されます。
乳歯の歯根は永久歯よりも短いため、土台としての安定性に欠けます。
「大人乳歯」と呼ばれていても、中身は乳歯なので、他の永久歯と比べて支える力が弱いのが特徴です。
●虫歯になりやすい
虫歯は、原因菌が作り出す酸によって歯が溶かされる病気です。
乳歯は永久歯よりも酸への耐性が低く、虫歯になりやすい傾向があります。
そのため、大人乳歯も虫歯のリスクが高いといえます。
⑤ 大人乳歯の対処法
大人乳歯が見つかった場合、以下のような対処法があります。
●できるだけ残す
大人乳歯は、噛み合わせや、根の状態がしっかりしており、永久歯の代わりとしての役割をしている場合は可能な限り残すのが理想です。
永久歯が存在しない場合、大人乳歯が代替の役割を果たします。
残すことで、他の歯への負担を減らし、歯並びの維持にもつながります。
大人乳歯を寿命以上に長持ちさせるためには、予防歯科の受診が重要です。
虫歯や歯周病を防ぐことで、健康な状態を保つことができます。
しかし、多くの場合、根が吸収していたり、大きな虫歯ができていたり、しっかり生えておらず、他の永久歯の邪魔をしていることが多いです。
■抜けてしまった場合(スペースが狭い)
●コンポジットレジン充填
歯の色に近いプラスチック材料(コンポジットレジン)を使用し、隙間を埋めます。
比較的簡単な処置で見た目も自然です。
●矯正治療
歯を少しずつ動かして隙間を埋める、もしくは広げて一本分のスペースを作る。
スペースが狭くても、歯列全体を整えることができます。
■抜けてしまった場合(スペースが歯1本分ある)
●インプラント治療
顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋入し、人工歯を装着する方法です。
周囲の歯を削る必要がなく、自然な見た目と噛み心地を再現できますが、保険適用外のため費用は高くなります。
●矯正治療
1本分のスペースを矯正で閉じる方法もあります。
歯並び全体を調整できるため、見た目にも機能的にも優れた結果が期待できます。
マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)やマウスピース矯正など、さまざまな選択肢があります。
●ブリッジ
両隣の歯を削って被せ物を作り、間に人工の歯をつなげる方法です。
保険診療では金属製のブリッジ、自費診療ではセラミック製も選べます。
⑥ まとめ
今回は、「大人乳歯」について解説しました。
大人乳歯の主な原因は、永久歯の先天性欠如です。
その頻度は10人に1人程度と比較的高く、最近では増加傾向にあるとも言われています。
大人乳歯は、次に生える永久歯がないため、永久歯の代わりとなって役割を果たしている乳歯であればできるだけ大切に残すことが推奨されます。
ただし、乳歯である以上、永久歯ほどの耐久性は期待できません。
もし抜けてしまった場合、放置すると歯並びや噛み合わせが悪くなる恐れがあります。
抜けた後にはさまざまな治療法がありますので、早めに歯科医院に相談することが大切です。
当院では、大人乳歯の虫歯・歯周病予防、抜けた後の治療に関して、豊富な経験と専門知識を活かして対応しております。
「大人乳歯があるかもしれない」「治療を検討したい」とお考えの方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
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