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目次
①正中離開とは何か
②正中離開の治療方法
③まとめ
①正中離開とは何か
「正中離開」という言葉は、あまり聞きなじみがないかもしれません。 正中離開とは、上の前歯の真ん中に隙間ができる状態を指します。前歯の真ん中に隙間があることで、見た目が気になる方もいます。正中離開の原因や治療方法について詳しく見ていきましょう。
■正中離開の原因
正中離開が起こる原因には、いくつかの要因が考えられます。
①顎と歯の大きさの不調和
②上唇小帯の位置異常
③過剰埋伏歯
④異常習癖
⑤歯周病
などが考えられます。
それぞれを確認してみましょう。
●正中離開の原因 顎と歯の大きさの不調和
普段意識することは少ないかもしれませんが、顎と歯の大きさに不均衡があると、正中離開が起こりやすくなります。例えば、顎の大きさに対して歯が小さい場合や、先天的に永久歯が不足している場合などは、正中離開が起こりやすくなります。
●正中離開の原因 上唇小帯の位置異常
上唇を持ち上げると、歯茎と唇をつなぐヒダのようなものがあるのがわかります。これを上唇小帯と言います。個人差がありますが、中には歯茎におけるヒダの付着部位が歯と歯の間付近まで伸びている事があります。この場合には正中離開が生じやすいです。改善させるにはヒダの位置を修正する小手術を行います。
●正中離開の原因 過剰埋伏歯
歯の本数や小帯の位置異常がなく正中離開がある場合には、埋伏過剰歯を疑う事があります。これは顎の中に余分に歯が埋まっているため、左右の1番前の歯が定位置に動かない状態になります。改善には埋伏歯の抜歯が必要となります。
●正中離開の原因 異常習癖
これは、特に子どもによく見られる原因です。例えば、舌先を上の歯に押し当てる癖がある場合や指しゃぶりなどが該当します。ある程度の年齢までは許容できますが、小学生ごろまで行っていると歯の位置異常や顎の形態にも悪影響を及ぼします。これにより正中離開が起こりえます。この場合には舌の正しい位置を覚えるように指導が行われたり、口腔周囲の筋肉を正しく使えるように指導が行われます。
●正中離開の原因 歯周病
大人の場合には歯周病によって歯の位置異常などが起こりえます。正中離開だけでなく歯の揺れや歯の喪失を起こす可能性があるので十分に注意が必要です。この場合には歯周病治療を行い改善を図ります。
②正中離開の治療方法
正中離開の原因を確認したうえで、治療方法について見ていきましょう。特に今回は歯と顎の不調和によるものに対して確認してみましょう。顎に対する治療は基本的に小児期にのみアプローチが可能です。成人になると顎の成長が止まり、顎自体の成長促進や抑制をさせる事が困難になります。したがって、成人になってからの正中離開の治療は主に歯に対しての治療になります。正中離開の広がり方によって
①詰める治療
②被せる治療
③矯正治療
の3つに分類できます。
それぞれを確認しましょう。
■正中離開の治療方法 ①詰める治療
詰める治療は主に正中離開の中では比較的小さいものが対象となります。コンポジットレジンと呼ばれる樹脂の材料を用いて、歯と歯の間を詰めます。この材料は接着処理によって大きく歯を削る事なく治すことが可能となります。利点として歯を削る量が少なく済み、即日治療可能です。欠点として適応症が限られ、自身の歯の色と詰めものの色の調和がとれるかが問題となります。また、詰めるものが欠ける可能性があります。
■正中離開の治療方法 ②被せる治療
被せる治療には部分的につけ爪のように歯に貼り付ける方法と歯を全体的に被せる方法があります。前者はラミネートベニアと呼ばれる治療です。これは歯の表面を薄く削り、薄いセラミックを張り付ける方法です。大きく歯を削る事なく歯の表面全体を白くすることが可能な処置です。ラミネートベニアも適応症例があるため全てに対応できません。また保険治療外となります。後者は被せ物を被せる方法です。被せ物の種類によって差がありますが、この場合には1番歯を削ることとなります。虫歯でない歯でも大きく削ることになるため、あまりお勧めはできません。しかし、隙間を埋めるために行うことがあります。
■正中離開の治療方法 ③矯正治療
一般的に、歯を削る必要がない場合はできるだけ削らずに治療するのが望ましいです。したがって金銭面や治療期間がかかっても良い場合には矯正治療を行います。正中離開を矯正治療で改善する場合、その部分だけを閉じようとすると、別の場所に隙間が生じる可能性があります。 そのため、全体的な歯並びのバランスを考えながら治療を進める必要があります。矯正治療を行って正中離開を治療する場合には診査と診断が特に重要になります。全体的な歯並びの改善が可能となる一方で自由診療のため、高額になることや歯を動かす期間が必要となるので時間がかかります。
③まとめ
ここまで、正中離開の原因と治療方法について解説してきました。治療方法はいくつかありますが、できるだけ歯を削らずに治療したい場合は、矯正治療を検討するとよいでしょう。しかし、金銭的な問題や長期間の治療を望まれない場合は、矯正以外の方法も選択肢になります。適応症例が限られる場合もあるので、主治医とよく相談し納得の上で治療を行いましょう。
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