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親知らずの抜歯、全部まとめて抜ける?

親知らずの虫歯や、周囲の歯ぐきに痛みが出て、以前に歯科医院で抜歯を勧められたという方もいるかもしれません。

しかし、親知らずの抜歯は本人の年齢、全身の病気の有無、服用している薬、親知らずの埋まり具合など、さまざまな条件によっては簡単に行える処置ではないこともあります。

20代〜30代であれば骨に柔軟性があるため、比較的スムーズに抜歯できる場合もありますが、それでも一度にすべての親知らずを抜歯することはほとんどありません。

その理由は、患者さんにとっても、抜歯を行う歯科医師にとってもリスクが高くなるためです。

今回は、親知らずの抜歯に関する治療の流れやリスクについて詳しくご紹介し、理解を深めていただければ幸いです。

 

目次

① 親知らずの抜歯:状態によるケース分け

② 親知らずの抜歯に伴うリスク

③ 一度にすべてを抜歯するケースについて

④ 抜歯前に患者さんが知っておくべきこと

⑤ まとめ

 

① 親知らずの抜歯:状態によるケース分け

親知らずの抜歯は、難易度に応じて以下の3つに分かれます。

    1.    治療をすぐに行うケース

    2.    時間を確保し、後日行うケース

    3.    大きな病院へ紹介するケース

問診で全身の病歴や服薬状況を確認し、口腔内の状態やレントゲン写真をもとに、抜歯が可能かを判断します。基本的には簡単な位置にある右または左どちらか1本から抜歯を行うのが一般的です。

 

■治療をすぐに行うケース

このケースでは、親知らずがお口の中からすでに見えており、炎症などの症状がない場合に限って抜歯を行うことがあります。

特に上顎の親知らずは、このようなケースが多く見られます。

ただし、下顎の親知らずは、たとえ見えていても横向きに生えているなど、条件が悪いこともあるため注意が必要です。

条件が良い場合でも、一度に抜歯できるのは多くて片側上下2本程度が限界です。

 

■時間を取って後日行うケース

このケースでは、親知らずが一部埋まっている(半埋伏)か、完全に埋まっている(完全埋伏)状態です。

上顎・下顎問わず、歯ぐきの切開や歯・骨の削除、縫合処置が必要になるため、事前にしっかりと時間を確保しなければなりません。

通常、1回の処置で抜歯できるのは1本が限界と考えられます。

 

■大きな病院に紹介するケース

特に下顎の親知らずで、神経や血管が通る「下顎管」に近接している場合は、神経損傷のリスクが高まります。

このような高リスクの抜歯は、一般の診療所では行わず、大学病院などへ紹介することが一般的です。

 また、「一度ですべての親知らずを抜歯したい」という希望があっても、リスクの観点から同様に紹介になることが多いです。

外科処置は想定外のトラブルが起こる可能性もあるため、歯科医師・患者さん双方にとって負担が大きくなります。

 

 

 

② 親知らずの抜歯に伴うリスク

一度にすべての親知らずを抜歯しないのは、以下の理由からです。

        リスクの回避

        手術後の負担の軽減

親知らずの抜歯は外科処置のひとつであり、麻酔による体調不良やショック、神経・血管の損傷、出血、強い腫れや痛み、食事ができないといったさまざまなリスクが伴います。

もちろん、これらのすべてが起こるわけではありませんが、可能性として事前に理解しておく必要があります。

一度に複数本を抜歯することで、それぞれのリスクが累積し、全体のリスクが高くなります。

「歯科医院なのだから抜歯できて当然」「紹介するなんて医者の矜持がない」などの声もありますが、こうしたリスクや術後の生活への影響をきちんと知っていただくことが大切です。

 

③ 一度にすべてを抜歯するケースについて

まれに、親知らずをすべて一度で抜歯するケースもあります。

これは、入院して全身麻酔下で大学病院などで行う方法です。

この場合、当日の帰宅はできず、痛みや腫れの経過を見ながら退院時期を判断します。

全身麻酔で無意識下での処置となるため、歯科恐怖症の方にも適しています。

また、信頼関係のある歯科医師が親知らずの抜歯に熟練しており、リスクを理解した上で患者さんが強く希望する場合は、局所麻酔でも一度に複数本抜歯することがあります。

ただし、これは初診時に行われることはほぼありません。

 

④ 抜歯前に患者さんが知っておくべきこと

親知らずの抜歯を検討する際には、以下の点を確認しておくことをおすすめします。

        口腔外科の対応が可能かどうか

        埋伏歯の抜歯に対応しているか

診療所のホームページを確認したり、分からなければ直接電話で以下のように尋ねてみましょう。

        「親知らずの抜歯をお願いしたいのですが、対応可能でしょうか?」

        「埋伏抜歯に対応されていますか?」

なお、患者さんの情報がない状態で聞かれても、医院側としては「診てみないとわかりません」と返答するしかない場合が多いです。

少し具体的に尋ねることで、より適切な判断が得られる可能性があります。

⑤まとめ

親知らずの抜歯は、簡単な処置ではなく、リスクを伴う外科処置です。

抜歯後の痛みや腫れによって日常生活に支障が出ることもありますし、一度にすべての親知らずを抜くことはリスクが高くなります。

たとえ1本だけの抜歯であっても、処置時間が長引けば、口を開け続ける負担が大きくつらく感じることもあります。

親知らずの抜歯は、可能な限り計画的に、痛みが出る前の余裕があるタイミングで行うことが理想です。

ご相談はこちらから。

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