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子どもの「口腔機能発達不全症」をご存じですか?子どもの口腔機能発達不全症とは「食べる」「話す」「息をする」といった口周りの機能の発達に何かしらの異常がある状態のことです。これらは明らかな原因疾患が見られず、口周りの筋肉の使い方のクセや成長していく過程での環境によるものが原因であることが多いです。
今回はこの「口腔機能発達不全症」について解説していきます。
目次
①口腔機能発達不全症とは
②口腔機能発達不全症の原因
③口腔機能発達不全症の治療法
④まとめ
①口腔機能発達不全症とは
口腔機能発達不全症は、小児歯科分野において2018年から保険診療として認められた疾患です。「病気」と聞くと心配される親御さんも多いかもしれませんが、本人や親御さんが気づかないような些細なことも該当する場合があります。
■このような症状が見られたら
お子さんに次のような様子が見られたら口腔機能不全症の疑いがあります。
・常に口がポカンとあいている
・周りの同年齢の子どもより喋り方が幼い
・食事中に食べ物が口からこぼれ落ちやすい
・食べ物を飲み込む時に舌が前に出る
・指しゃぶりがある
・爪を噛むくせがある
上記のような行動が見られることはありませんか?これらは子どもの3~5割に見られるとされており、決して珍しいものではありません。子どもに上のような症状が見られましたら、ぜひ当院までご相談ください。精密な検査をした上で診断を行い、治療のご相談をさせていただきます。
②口腔機能発達不全症の原因
これらの口腔機能発達不全症の原因は多岐にわたります。
●口呼吸
口腔機能発達不全症の最も一般的な原因は、口呼吸です。
私たちは本来、鼻で呼吸するのが通常ですが、子どもの頃から口呼吸が習慣化すると、口周りの発達だけでなく、全身の健康にもさまざまな影響を及ぼします。口をポカンと開けた状態が続くと、成長期に口周りの筋肉が十分に発達せず、歯並びが乱れたり、出っ歯になったりすることがあります。また、口が開いた状態で物を食べる「クチャクチャ食べ」をするようになってしまうこともあります。
また、鼻の粘膜を通さずに空気が直接喉へ入るため、細菌やウイルスに感染しやすくなるリスクもあります。
●舌のクセ
舌のクセで代表的なものに舌突出癖、低位舌(ていいぜつ)があります。これらが原因で歯並びが悪くなる可能性が高いです。また、舌が正しい位置にないと発音にも影響を与えるため、同年齢の子どもに比べて話し方が幼く感じられたり、舌足らずな話し方をしたりすることがあります。
上記で挙げたのは代表的なものになりますが、他にもさまざまな原因がありますのでお気軽にご相談ください。
③口腔機能発達不全症の治療法
高機能発達不全症の治療法は、原因によってさまざまです。上記で挙げたようなクセが原因の場合は、クセを改善することが根本的な治療になります。親御さんが注意しても改善しない場合は、歯科医院に相談しましょう。また、口呼吸の原因は癖ではなく鼻詰まりなどの疾患が原因の可能性もあります。耳鼻科などの複数の科と連携して治療していくことがあります。
原因が歯並びや噛み合わせの場合もあります。その時は矯正治療が必要になります。矯正を始める時期も成長に合わせて適切な時期を見極め、口周りの筋肉の発達や骨の成長を促したり抑制したり、専門的な治療が必要になります。
予防のためのトレーニング
子どもが口腔機能発達不全かも?と思ったら予防のためのトレーニングをしてみましょう。
●口周りのトレーニング
もともとは日常生活で得られる筋肉を鍛えるトレーニングなので、身近なものを使って家族で楽しくトレーニングしましょう。
風船ガムを噛み、舌を使って形を整えながら膨らませることで、口周りの筋肉を鍛えることができます。楽しみながら繰り返し挑戦してみましょう。この他にも、ストローのシャボン玉をふく、風船を膨らませる、早口言葉を何度も言うといったように、家族で楽しくできる簡単なことでも十分トレーニングになります。
●あいうべ体操
これは子どもだけでなく、高齢者の方にも有効な口の周りの筋肉を鍛える体操です。できるだけ顔を大きく使いながら、「あ〜い〜う〜」、舌を大きく前に出して「べ〜」と言います。これを10回繰り返します。1日に何回か繰り返すと、確実に筋力がアップします。滑舌がよくなったり、いびきが減ったり、メリットもたくさんありますので、ご家族でぜひやってみてください。
あいうべ体操について詳しく知りたい方はこちらから。
⑤まとめ
今回は、子どもの口腔機能発達不全症について解説しました。
口腔機能発達不全症は、クセを改善したり、適切なトレーニングを行ったりすることで改善が期待できます。
少しでも気になる点があれば、ぜひ歯科医院にご相談ください。専門的なアプローチを行うことで、正常な発育を促すことができます。将来の歯並びにも大きく関わってきますので、かかりつけ歯科医院を持つようにし、成長に合わせた治療をしていきましょう。
ご相談はこちらから。